ロシアのウクライナ侵攻、両軍の死傷者は約20万人=米軍トップ
(出典:2022年11月11日 BBC)
ロシア軍が撤退したヘルソン市をウクライナ軍が奪還したと報道されていますが、すでに多くの死傷者が出ていることはあまり知られていません。
また、アメリカを中心としたNATO諸国は武器の在庫がなくなり、ウクライナ軍への兵器支援が止まりつつあります。ウクライナ政府は40万人まで兵士を動員していますが、このうちの2割程度が死傷して戦線を離脱しています。
いよいよ冬の季節を迎えようとしていますが、寄せ集めのウクライナ兵士が長期戦を戦えるとは思えません。一方、リスクを避けてへルソン市から撤退したロシア軍は、メディアが報道しているように追いつめられてはいません。
さらに、ウクライナ側との緩衝地帯に「戦術核」を使用すると報道されていますが、現地ではそのような動きは確認されていないわけです。問題は、ウクライナ軍の戦闘力がゼロになったとしても停戦のための交渉相手がいないことです。
アメリカとNATO諸国はウクライナ側に敗北を認めさせないので、NATO軍がウクライナに投入される可能性が出てきました。つまり、ロシアとNATO軍という第三次世界大戦がまた一歩迫ってくることになります。
米陸軍の「叫ぶ鷲」がルーマニアに展開、ウクライナへの進軍用意整う=米CBS
(出典:2022年10月22日 SPUTNIK日本)
実際に、アメリカ陸軍の特殊部隊がウクライナと国境を接するルーマニアに展開しており、軍事演習に参加しています。バイデン政権は、「ウクライナ国内に米軍が駐留することはない」と発言してきました。
ところが、現地の司令官は「ウクライナに進軍する用意がある」とメディアへの取材に答えており、精鋭部隊の兵士たちも現地に派遣されているようです。ロシア軍がNATO軍と軍事衝突を起こした際、米軍がウクライナに侵入する可能性が出てきました。
米軍は、これまでウクライナ西部のポーランド(南東部)との国境で駐留を続けてきました。あくまで防衛が目的であるということですが、アメリカ中間選挙で上院を民主党が取ったことで行動を移しているのは明らかです。
米、ポーランドに常駐部隊設置
(出典:2022年6月29日 産経新聞)
国防総省は、へルソン州でのロシア撤退やウクライナ軍の奪還を予測した動きを取っており、外国人傭兵が激減しているウクライナ軍の代わりに戦闘に加わる可能性が高いと思います。また、ウクライナ南部のオデッサにも派遣する動きがあります。
ウクライナ国防省とロシア国防省が公表している死傷者数などについて、どちらも相手の損害を正確に把握しているとは思えません。しかし、どちらかと言えばウクライナ軍の損失のほうが大きいと現地の独立系ジャーナリストたちが証言しています。
米、ポーランドに常駐部隊設置
(出典:2022年11月15日 Yahooニュース)
ちなみに、ロシア国防省が発表したウクライナ軍の死傷者数は約17万人で、ウクライナ国防省が発表したロシア軍の死傷者数は約7万人です。およそ2倍の開きがありますが、数字そのものに意味があるとは思えません。
しかし、ウクライナ軍の死傷者数が多いことは確実であり、すで約半数がすでに戦線を離脱しているものと考えられます。ウクライナ軍のほうが厳しい状況にある中、いよいよ米軍がロシア軍と衝突するかもしれないわけです。
ロシア軍と米軍による戦闘は、実質的な第三次世界大戦であり、これまで人類が危惧してきたことでもあります。このままエスカレートしていけば、おそらく中国が台湾に侵攻することもあり得るようになってきます。
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