大雪死者21人に 総務省消防庁
(出典:2021年1月14日 時事通信)
いつもと様子が違う今年の冬ですが、しばらく車の話が続いていきます。なぜかと言えば、災害が起きた時に自家用車がシェルターになるからです。
さて、日本各地で厳寒が続いていますが、東京や大阪のような大都市だけでなく、今年は九州や四国でも朝夕にはマイナス気温が記録されています。
問題は、大雪で北陸地方に住んでいる人が命を落としていることです。北海道ではさらに積雪量が多い地域がありますが、スマホ時代では天気予報をチェックできるので外出を控えることもできたはずです。
いきなり発生する地震よりも天気は予測できるため、雪道は本格的な4WD車とスタッドレスタイヤを装着して外出する必要があります。北海道でも、軽自動車の4WD車や市街地向けの4WD車が多く見受けられますが、ジープやジムニー、ランドクルーザーでなければスタック(雪やぬかるみにタイヤがはまり、前にも後ろにも進まなくなって立ち往生)してしまいます。
大型台風が日本列島に接近した時、わざわざ外出して命を落とす人がいますが、沖縄では外出しないのが常識となっています。これと同様に、北海道など雪国育ちの人ならば決してしないことを東京や大阪の人が自然の恐怖に晒されてしまうわけです。
災害に自分と家族を守る!山岳ガイドが日頃の非日常体験が役に立つと言う訳を紹介します。
(出典:2021年1月5日 Yahooニュース)
また、山登りが好きな人はご存知だと思いますが、頂上手前まで登っても天候によってはそのまま引き返す勇気や決断が大事です。圧倒的な自然の前では、意外と簡単に命を落とすことがよくあります。
現代人の多くが都市部で暮らす中、自分が自然の一部であるという意識はほとんどありません。なぜそうなったのかと言えば、家庭や教育の現場で自分で物事を考える必要がなくなり、変化に対応できなくなったからです。
実際に、ほとんどの日本人は周りの人の様子を見ながら動いています。政府や自治体、そして会社の上司に言われたから動くわけです。だから、誰も関越道や北陸道の高速道路が雪で動けなくなるとは考えません。
郊外の空いている高速道路であっても、夜は真っ暗で、冬はブラックアイスバーンで車がスリップする可能性があります。もし車がスリップして横転したり、ガードレールに追突しただけでも渋滞が起き、道路上に雪が積もっていきます。
結局、トラブルを起こす人というのは道路状況に無頓着な傾向があります。北海道では、冬にスタッドレスタイヤを履かないドライバーはいませんが、本州ではよく見かけます。凍結した道路を、夏タイヤやいわゆる「オールシーンタイヤ」で走るのは危険です。
北海道の暴風雪、死者8人に 車立ち往生や凍死
(出典:2013年3月3日 日本経済新聞)
問題は、そういったリスクがあることを考えたことがない、想像力が働かない人間が大勢存在していることです。8年前、3月の北海道に大寒波が襲いましたが、各地で車が立ち往生して8名が凍死しています。
特に、田舎では街灯が少ないため、夜道を車で走ることを恐怖に感じるドライバーもいます。また、大粒の雪がなかなか降り止まないことに危機を感じるドライバーもいますが、路面状態によってはスピードが遅くても車が勝手に滑っていくこともあります。
大雪に備える注意すべき点は
(出典:2021年1月8日 NHK NEWS WEB)
もし、ハイドロプレーニングやブラックアイスバーンで滑った車は制御不能になり、まず車体がスピンして予想のつかない動きが始まります。だからこそ、ブレーキをできるだけ踏まずにアクセルだけで雪道を走り抜けるスキルが必要です。
さらに、車の特徴に合わせた運転技術を身につけることで、もし路上でスピンした時の想像力を働かせておくことも重要です。果たして、これだけの心理的なコントロールができるドライバーが日本国内にどれだけいるのでしょうか?
コロナ騒ぎ以降、札幌市内にも本州のナンバープレートを付けた車が目につくようになりました。関東や関西ナンバーが中心ですが、彼らが運転する車の挙動は明らかに地元のドライバーとは異なります。
北海道の雪道で今までのような運転をしていたら、必ず悲劇が起こるわけです。朝、通勤時に軽自動車がひっくり返っているのをよく目撃します。曲がれなくてガードレールに突っ込んだり、畑に落ちて呆然と立ち尽くしているドライバーを見かけることもあります。
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