福沢諭吉ってどんな人物？５分で知る偉人！
前回の続きですが、1万円札の肖像で有名な「福沢諭吉」は、幕末に咸臨丸という大型船でサンフランシスコに数か月滞在し、帰国後はすぐに幕府の使節団に抜擢され、ヨーロッパ各地訪れています。
その途中、まず清朝時代の上海に寄り、そこから船で東南アジアを通り、イギリスの植民地であったインドのカルカッタやボンベイに滞在し、それからスエズ運河が完成する前のエジプトに向かいました。
そのあとは、鉄道で移動することになり、カイロから地中海を渡って、南フランスのマルセイユに到着し、そこから再び鉄道で首都パリに行きました。当時の清朝（現在の中国）やインド、エジプトなどはイギリスの植民地にされており、福沢諭吉ほか幕府の使節団たちは、そこに住む人々がどれほど貧しかったかを港から目撃しているわけです。
この真実こそ、単なる外国滞在経験者はおろか、日本の知識階級層が知らないままです。今も昔も、大英帝国は諸外国に対して、ものすごく恐ろしい支配をしていたということです。バカな日本人は、今も昔も「イギリス人は上品でジェントルマンだから悪いことをしない」などと、言っていますが、それは「世界のことを知らない人たち」の幻想でしかありません。
福沢諭吉や伊藤博文はこのことを知っていたわけです。だから、当時の世界覇権国であったイギリスの支配からできるだけ早く脱出することを考えていたということです。
諭吉が生まれた時代は、身分制度が厳しく、能力のある人でも位の低い人は重要な役職にはつけなかったわけです。このような封建体制に違和感を持っていたのが思想の原点ということになります。
5歳から漢学に触れ、その後も論語や史記など多数の書籍を読み、中津藩内で儒学や蘭学（オランダ語）も学んでいます。
福沢諭吉は異議を唱えていた 訳語が違えば日本も変わっていたかもしれない
1853年、ペリー総督率いるアメリカの黒船が来航したことで、江戸幕府は混沌状態に陥り、勝海舟など決して身分の高くない人たちの意見も募り、諭吉もそれまで学んでいた外国語の知識を用いて、幕府重臣の通訳として活躍することになります。
そして、21歳の時に長崎に遊学し、本格的に蘭学を学びます。翌年、大阪に出て緒方洪庵の適塾に入り、2年後には塾長になりました。その後、蘭学塾を開いて、講師となるように中津藩の江戸屋敷から声がかかり江戸に行くことになりました。
当時の時代背景として、日本は黒船の来航で開国を迫られ、そのような背景から江戸にある中津藩では子弟に蘭学を教えようとしたわけです。
この時、中津藩中屋敷の長屋を提供したのが慶應義塾大学の始まりでしたが、塾とは名ばかりで、粗末な長屋の一間に藩の子弟と諭吉が集まって学ぶという形をとっていたようです。お互いに平等な立場で学ぶって思想が日本で初めて出てくることになりました。
1859年、諭吉は横浜を訪れた時に外国人と話す機会がありましたが、鎖国中にオランダの勢力が衰退し、イギリスとアメリカが覇権国になったことを知りました。それによって、諭吉は英語を独学で学ぶことになったわけです。
そして、蘭学塾でも英語を教え、結果的に江戸で一番の塾になったと言われています。その後も、明治時代に政治の本当の在り方や男女平等論など、数多くのことをして1901年に脳溢血が再発し、67歳の時に東京で死去しました。
諭吉は今で言うところの「爆弾発言」が多い人物であったようです。実際に、西洋文明を拒む者を批判したり、漢学を徹底批判したり、男尊女卑の考えが一般的だったのに、男女平等論を真っ先に唱えたり、イギリスの政治を参考にするよう意見を述べたりしています。
いつの時代であっても、新しいことを言うと普通は叩かれるわけですが、そんな福沢諭吉の名言があります。
「人は、生まれながらに、貴賤貧富の別なし。ただ、良く学ぶ者は、貴人となり、富人となり、そして、無学なる者は、貧人となり、下人となる。」
いよいよ、この名言が現実になろうとしています。政治家2世、3世や大企業創業者やその幹部の子や孫が、実は無能であることが明らかになりつつあります。今こそ、良く学ぶタイミングに来ているように思うわけです。
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