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新型コロナの影響で、貧困問題に対応しない日本政府と農水省

2021/7/14


食料自給率の推移:農林水産省
2017年度 農林水産省へのリンク画像です。

(出典:2017年度 農林水産省)


実は、日本国内で生産される米や小麦は数ヵ月分は備蓄されていますが、肉類や魚介類の自給率が低いことが分かっています。


例えば、日本人の主食となる米の自給率は100%ですが、小麦は14%、大豆に至ってはたったの7%しかありません。その他、野菜の79%はいいとしても果物の39%は少なく、牛肉・豚肉は50%を下回っています。


日本が得意としている食肉産業は鳥肉で自給率は64%ですが、鶏卵は100%近くあります。乳製品は60%あるものの、魚介類は52%しかないのは意外です。一部は自給率が高いものもありますが、油脂類は12%と低くほとんどを海外から輸入しています。


こうした食品は多くの加工品の原材料であるため、もし台湾有事でシーレーンが遮断された場合、食品価格が一斉に上がる可能性が高いと思います。その直後、スーパーやコンビニで買い占め行為が起き、さらに深刻な供給不足に陥ることも考えられます。


当然、このような危機的状況になると、日本政府(自民・公明党政権)は選挙で十分な議席数を確保するために、供給確保の方法を見いださなければならなくなります。それが、南シナ海や東シナ海を経由しない輸入ルートです。


世界の「貧困率」の現状 6人に1人が相対的貧困に直面する日本の実情とは
2021年4月30日 ELEMINISTへのリンク画像です。

(出典:2021年4月30日 ELEMINIST)


日本では、政府や省庁がどうしても現状を変えたくない保守的な特徴を持っています。つまり、現状を直視したくないという風潮が強く、最悪の事態の想定に消極的であるということです。今回の新型コロナウイルスの対応やワクチン接種でも、そのような傾向が見られました。


実際に、日本国内の貧困の目安である「年収130万円」という水準は、OECD(経済協力開発機構)の算定によると、先進国35ヵ国でなんと7番目の高さとなっており、国内では16%となっています。


新型コロナウイルスのの影響を最も受けたのがこの貧困層であり、シングルマザーなどのひとり親も多く、貧困は高校生以下の子どもを直撃しています。だからこそ、食料危機が起きた時の政府の対応を予想できると思います。


増加する貧困に対し、取り組んでいるのが全国各地にあるNPO団体の「フードバンク」です。フードバンクは、これまで日本政府に備蓄米の一部を提供するよう働きかけてきましたが、備蓄に関する法的規制により政府は未だにかたくなな姿勢を崩していません。


農水省、子ども食堂への備蓄米無償提供拡充 月内に上限4倍に
2021年6月11日 毎日新聞へのリンク画像です。

(出典:2021年6月11日 毎日新聞)


政府は、備蓄米の一部を公立学校に無償で提供していますが、米の重要性を子どもたちに教える「食育」と位置づけています。


2020年4月に緊急事態宣言が出された時、ほとんどの学校が休校となった際、子どもたちに無料で食事を提供している「こども食堂」の運営者たちは、多くの子どもたちが給食なしで空腹になっていると主張し、備蓄米を無料で提供するよう政府を説得したわけです。


農水省は、食育という見解を変えないまま、ようやく備蓄米の一部放出しました。


政府は、今年3月まで約100万トンの米を備蓄していますが、NPO法人ごとに年間60キロまでという上限を設け、あらゆる条件をつけておきながら、結局、放出されたの米の量は10トンだけとなっています。


焦点:コロナ禍で「1日1食」、増える困窮者 備蓄米開放も不十分
2021年2月9日 Reutersへのリンク画像です。

(出典:2021年2月9日 Reuters)


現在のところ、条件はかなり撤廃されてNPO法人あたりの上限も年間300キロまで引き上げられましたが、フードバンクが年間に配布する量には全く達していないようです。


代表者は、「およそ2000万人弱が貧困線以下で生活している実態がある中で、備蓄米の放出を1団体年間300キロという量は侮辱行為だ」と、さらなる放出を求めています。「この国では備蓄米は相当な量だ」と主張しています。


欧米諸国では、政府がプログラムを通じてフードバンクを積極的に支援していますが、日本では農林水産業の振興を目的としており、飢餓問題に取り組む権限も予算もないと説明しています。


農水省が管理する政府の備蓄米を、新型コロナウイルスで悪化した貧困問題の対処に充てるためには、これを可能にする法律の改正を行わなければならず、これから時間をかけて議論していくということです。

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