ウクライナ軍ハルキウで複数の集落奪還 さらなる奪還へ米支援
(出典:2022年9月9日 NHK NEWS WEB)
ウクライナ政府は、9月に入ってロシア軍に支配されていた北東部のハルキウ州の大部分を奪還したと発表しました。
しかし、ウクライナ軍兵士のほとんどが欧米諸国からの外国人傭兵であり、実質的にNATO軍とロシア軍が戦っているのが現状です。そして、ロシア軍はウクライナ軍が南部のヘルソン州に攻勢を仕掛けると聞きつけ、ハリキウ州から撤退したようです。
西側メディアは、「ウクライナ軍がロシア軍の不意を突いてハリキウ州を占拠・奪還した」と報道していますが、ロシア系メディアも「ロシア軍は戦車や兵員輸送車などを残したまま撤退した」と報道しています。
ウクライナ東部のドネツク州を少しずつ占拠しているロシア軍は、補給路の拠点の一つがハルキウ州イジュームにありました。イジュームがウクライナ軍に占拠されたため、ロシア軍は作戦の変更を迫られています。
ロシア「特殊作戦は継続」、ウクライナ軍のハリコフ反撃に言及せず
(出典:2022年9月12日 Reuters)
また、ウクライナに戦闘部隊を送っているチェチェン共和国のカディロフ軍は、ロシア軍幹部を批判しているとのことです。そのような状況の中、ロシアのペスコフ大統領報道官は「特殊軍事作戦の目標設定を変更する」と発言しました。
前線の具体的な情勢について、逐一報告を受けているプーチン大統領は国防省や軍幹部と話し合っており、ロシア国防省は戦略的に各部隊の再編制を明らかにしています。
すでにウクライナの敗色は濃厚ですが、NATOは戦争をやめる気がなく、ハリキウ州の奪還作戦が成功したことで今度はロシア軍が占拠している東部のルガンスク州や南部のヘルソン州の奪還を目指すことになりました。
「第131独立偵察大隊」が偽情報でロシア軍撹乱ウクライナ軍電撃反転攻勢の陰に諜報部隊の活躍
(出典:2022年9月20日 Yahooニュース)
現在、ウクライナで動員可能な兵力は約100万人ですが、実際に戦争に参加している兵士は30万人程度で、そのうちの半数はウクライナ人ではなく、カネで雇われた外国人傭兵だと見られています。
2月24日にロシア軍が侵攻した時、47旅団(各4000人)の約20万人が参加していて以降、外国人傭兵の参加を増えているということです。その上、米軍の特殊部隊を指揮する教官たちが兵士たちを訓練を実施しています。
訓練の期間は約1ヵ月半で、訓練が終了すると最新鋭の銃や大砲、ミサイルなどが支給されています。すでに南部のへルソン州や北東部のハルキウ州には、それぞれ1万人程度の兵士が派遣されているとのことです。
しかし、ロシア軍との激しい戦闘で多くの死傷者を出しており、ロシア軍にも同様の死傷者が出ています。両軍はITを中心としたハイテク兵器を使用しているため、ピンポイントで攻撃目標を狙うことができるわけです。
【解説】ウクライナでの戦争、どっちが勝っているのか
(出典:2022年9月17日 BBC)
戦場ジャーナリストの中には、戦地にある病院内でインタビューすることで戦況についての情報を得ることができるようになりました。実際に、ウクライナ軍の兵力ではロシア軍の攻撃に対応できないと証言されています。
例えば、ロシア軍の迫撃砲は連射が可能で、無人偵察機で上空からウクライナ軍の動きを監視しています。また、ロシア軍の戦車には最新鋭のレーダーが搭載されており、ウクライナ軍の位置を自動的に検知・特定することができるというわけです。
結局、へルソン州では圧倒的に優勢なロシア軍に対してウクライナ軍は終始後手に回り、領土を奪還することができなかったということです。ただし、ハリキウ州では不意を突かれたロシア軍が退却しています。
しかし、西側メディアが報道しているような完全勝利ではなく、快進撃を続けるウクライナ軍の死傷者数が多いことは一切報道されていません。そして、退却したロシア軍は遠距離からミサイルを発射する作戦に切り替えているようです。
ヘルソン州とハリキウ州でのロシア軍の死傷者数は少なく、ロシア軍は移動しながら死傷者を最小限に抑えているのがわかります。アメリカは、ロシア軍の最新兵器には勝てないことが明らかになり、これからの動きに注目です。
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