プーチン大統領支持率 “4年ぶりに80%超” 独立系の調査機関
(出典:2022年4月2日 NHK NEWS WEB)
欧米メディアが一方的にゼレンスキーを支援する報道を流しているため、日本のマスメディアも不思議なほどプーチンとロシア軍を悪者扱いする報道一辺倒です。
しかし、ロシアではウクライナ侵攻に反対し、抗議をしているのはほんの少しだけなのがロシア国営メディアの報道でわかります。抗議をしているのは、高学歴で40歳以下の大都市圏の居住者に限定されています。
彼らの多くは、ネットなど政府系・国営メディア以外の情報源から判断する傾向が高く、大多数のロシア国民とは異なった見方をしています。ロシアでは、日本並みにインターネットの普及率は高く、SNSを利用している人がほとんどです。
だから、国営テレビ局の情報操作だけでロシア国民が軍事作戦を支持し、80%以上がプーチンを支持するとは思えないわけです。ロシアでは、フェイスブックやツイッター、そしてインスタグラムは侵攻後に利用できなくなりましたが、インターネット接続が遮断されているわけではありません。
中国では禁止されているユーチューブやテレグラムにはアクセス可能で、世界中からロシアやプーチンを非難するコメントをロシア人たちは見ています。ロシアのインターネット普及率は85%で、情報収集が高学歴の40歳以下に限定されているとは考えられません。
プーチン蛮行が引き金に。終わる「米国覇権」と進む「新世界秩序」形成
(出典:2022年4月5日 MAG2NEWS)
ロシア国民が、ロシアの軍事作戦とプーチン政権を支持している理由は、250年以上も西側諸国に狙われてきたことによる民族的な団結力が共有されているからです。この100年を振り返ってみても、ロシア人は様々な政治的混乱に見舞われてきました。
ロシア革命で王室を失ったロシア国民は、レーニン、スターリンと社会主義国家実現のための残酷な社会実験に耐えてきました。1991年にようやくソ連邦が崩壊し、プーチン政権以降は比較的民主的な政権運営が行われてきました。
第一次世界大戦に参戦したロシアは、「ボルシェビキの蜂起」によって社会主義体制が確立し、スターリンによって数百万人が収容所に隔離されて処刑されました。所有とプライバシーの概念はなくなり、私有財産を持つことが1929年に廃止されました。
また、第二次世界大戦では全国民に犠牲を強いるようになり、軍人や民間人など含めて約3000万人がナチス・ドイツとの戦争で死亡しました。当時、旧日本軍も全国民に我慢させましたが、死者数はその1/10の300万人で済んでいます。
戦後、スターリンは戦争が国民が西側諸国へ渡ったり、連絡を取ったりすることを禁止し、鎖国政策「鉄のカーテン」で共産主義体制の影響力を拡大しようと、アメリカとの間に冷戦を引き起こしましたわけです。
その間に何度も農業改革に失敗し、食料の配給制が導入されるほど貧しくなっています。そして、1991年にソ連崩壊を迎えた際、経済的な混乱(ハイパーインフレ)で多くの失業者や自殺者を増えました。
マクドナルドがロシアからの「完全撤退」をすんなり決断できた、本当のワケとは
(出典:2022年3月28日 Yahooニュース)
ロシア国民の平均寿命は1990年まで73歳でしたが、たった5年ほどで59歳まで下がるほど飢餓や精神病で亡くなる人が増えたということです。実際に、西側から経済制裁を課されたロシア人たちは、ほとんど不自由を感じていません。
日本人と同様、ロシア人もマクドナルドやスターバックスで食事をしたり、iPhoneを使ったり、日本車に乗ることが当たり前となっています。しかし、たった20年の間に生活の一部となっただけで、40代以上の人たちは不便さを感じていないようです。
問題は、20代以下の世代が我慢できるかどうかです。しかし、西側のライフスタイルが首都モスクワとその近郊でしか展開されていないこともあり、ほとんどのロシア人は欧米主体のグローバリゼーションとは無関係であったということです。
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