アメリカに対する韓国のロビー攻勢は激しい。資金的な支援を受けているアメリカの政治家や団体、組織は多い。
アメリカで生活している在米韓国人の人口は、すでに日系人を50万人も上回っており、在米韓国人や韓国系アメリカ人のコミュニティーが全米各地にいつも存在しています。当然、韓国人による全米各地のロビー活動はその中心的な役割を担うような仕組みがでているようです。
そして、韓国のロビー活動を一層強力なものにしているのが、キリスト教のネットワークです。特に、プロテスタントの福音派教会は全米に8000万人も登録されており、アメリカ政界への影響力も大きいものと思われます。
中でも、マイク・ペンス副大統領やテッド・クルーズ上院議員など、共和党の最大勢力キリスト教保守派を形成し、その80%以上がトランプ大統領に投票しているわけです。これはトランプ政権の最大の支持基盤になっていることは明らかです。
そして、元々は一神教の世界観があった朝鮮半島にあって、韓国はキリスト教徒の多い国として知られています。実際に韓国の大都市を歩いていても1ブロックごとに教会があり、人口の3割がキリスト教徒とも言われています。
そのうち、カトリック教会は1割程度であることから、約2割はプロテスタントということになり、アメリカ国民の大部分との相性も合うということです。アメリカのプロテスタント教会は、20世紀はじめの日本統治時代から韓国の布教を展開しているとされています。
当時、朝鮮半島全土に建てられたプロテスタント教会は、抗日運動の拠点としても機能していたこともあり、特に南に住む韓国人の結集の場ともなったようです。その後、1953年に朝鮮戦争が休戦となった後は、北朝鮮にいた牧師が韓国に亡命したともされています。
それらの教会は、北朝鮮と共産主義への反対運動を展開する拠点にもなり、韓国で民主化運動が高まった1970年代には、プロテスタント教会が民主化要求運動の中心になったことが分かっています。
このように、韓国にはアメリカから入ってきたキリスト教思想がしっかりと根付いており、アメリカに移住した韓国人の相当数がキリスト教徒であることは明らかです。むしろ在米韓国人のキリスト教徒の割合は本国よりも多いとされています。
なんと7割の在米韓国人がキリスト教徒であり、それらは個人を中心としたネットワークとして政治に発展する傾向が強くなっているようです。特に、同じ教義を信奉する人々の関係は強く、利害を越えた宗教的使命感による団結も十分に可能になっているわけです。
要するに、韓国とアメリカにはキリスト教の強力なネットワークが存在し、日本政府が行っている韓国への輸出規制の問題では、韓国の望む方向にアメリカの外交政策が変更される可能性が高いということです。
一方、日本にはアメリカの政界に入り込めるような特別なネットワークはなく、キリスト教国ではない日本は仏教国として対応している部分があります。ところが、アメリカ人の仏教徒は1%未満であり、90%近いキリスト教徒の割合とは大きな違いがあります。
いずれにしても、韓国はアメリカ政界へのロビー活動のために世界一の費用を支出しているだけではなく、利害を越えたネットワークを利用してアメリカの議員に影響力を行使できる立場にいるということです。
だからこそ、中身が嘘であっても韓国が主張する「慰安婦問題」や「東海」の呼称問題で大きな成果をあげており、その背景にはキリスト教のネットワークの存在があったことがわかるはずです。今回の日本政府による韓国への輸出規制問題では、トランプ政権は日本に方針転換を強く迫る可能性があります。
日本では、参議院選挙がようやく終わり、選挙の終了を待って日米の貿易交渉が本格化していきます。このタイミングで、トランプ政権は韓国側の要望について圧力をかけてくるものと考えられます。
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