なぜウクライナで欧米とロシアが対立? 経緯や今後は…知っておきたい基礎知識5選
(出典:2022年1月31日 Yahooニュース)
ロシアと欧米は対立が始まったきっかけは、2020年8月にアルメニアとアゼルバイジャンの間でナゴルノ・カラバフの領有権を巡る紛争が起きたからです。
この紛争では、アゼルバイジャンがAIを搭載したトルコ製ドローン兵器を大量に導入し、5000人以上のアルメニア兵士を殺害して紛争に圧勝しました。その後、ウクライナは、トルコ製ドローン製造のための工場を建設する計画を立てたわけです。
昨年10月27日、ウクライナ政府軍はドローン兵器で東部のロシア系住民が住むドンバス地域を襲撃しました。ウクライナからの独立を主張しているロシア系住民は武装していますが、ロシアに助けを求めました。
このような状況を警戒したロシアは、10万人のロシア兵士をウクライナ国境に配備し、ウクライナ政府軍によるロシア系住民への攻撃を牽制しました。つまり、ロシア系住民を攻撃すれば、ロシア軍は報復するということです。
しかし、ロシアはこの内戦を終わらせるための好機として利用しようと考え、ウクライナ周辺に配置されているNATO軍(北大西洋条約機構)の動きを止めようとしています。
プーチン大統領は、1990年に東西ドイツ統一の協議で当時のソ連とアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスで話しあったことを主張しています。その内容とは、NATO軍が東ドイツを超えて軍備を配置しないとゴルバチョフ書記長と約束したことです。
プーチン氏、米がロシアを「戦争に引き込もうとしている」 ウクライナ対応に不満
(出典:2022年2月2日 BBC)
そこでアメリカとNATOに対して、ロシア国境に向けたNATO軍の拡大停止とウクライナとジョージアのNATO加盟要請の撤回、そしてロシアに隣接する国にモスクワを標的とした弾道ミサイルシステムを配備しない法的拘束力のある保証を求めました。
また、ロシアとの国境付近でのNATO軍の軍事演習の禁止や、NATO加盟国の船舶や航空機はをロシア国境から一定の距離を保つことを盛り込み、定期的な軍事的協議の実施、さらに中距離の核ミサイルを配備しないことも加えています。
アメリカのバイデン政権とNATOは、NATO軍の拡大停止とウクライナとジョージアのNATO加盟要請の撤回についてはロシア側と協議すると発表しましたが、その他の要求はヨーロッパの安全保障の基本的な枠組みを無効にする提案だとして反発しています。
特に、ディープステート(軍産複合体)の操り人形であるバイデン政権は、外交的な手段で問題の解決を目指すと言いながら、もしロシアがウクライナに軍事侵攻すれば米軍兵士8500人を派遣すると強気の姿勢を崩していません。
首脳が電話会談 キューバとロシア
(出典:2022年1月25日 時事通信)
ロシアの要求は、ヨーロッパの安全保障の枠組みを変更することになるにしても、ロシアの安全保障を考えば合理的な要求であるのは明らかです。例えば、ロシアにとってウクライナのNATO加盟入りは、北海道近くの北方領土にミサイル防衛基地を配備するようなことです。
ちょっと分かりにくいので別の例をあげると、米軍基地撤退後の沖縄に中国人民解放軍の基地が配備されるようなことかもしれません。アメリカのフロリダ州に近いキューバに、ロシア軍のミサイル防衛基地が配備されればアメリカも黙っていられないと思います。
要するに、NATO軍が国境近くまで接近することに、ロシアが抵抗するのは当然であるということです。そして、シリア紛争などの活躍さら推測すると、強力な軍事国家であるロシアに対してアメリカは戦争をするための予算が全く足りていません。
北京五輪が始まった晩 砲弾が飛び、かつての同胞国は戦火を交えた
(出典:2021年12月14日 毎日新聞)
オバマ政権時代、あれほどロシアとの対立を避けていたアメリカが、バイデン政権になって強な姿勢を崩さないのは背後に戦争でカネを儲けたい「軍産複合体」と「国際金融資本」の存在が見え隠れしています。
ロシアにとって、隣国のウクライナからフランス、イギリスまでユーラシア大陸でつながっています。第1次・第2次世界大戦で多くの犠牲者を出した地域であり、世界の安全保障にとって極めて重要な場所なのは間違いありません。
合理的なロシアの主張と要求に対して、悪魔のような所業を続けるバイデン政権も理解できないことはないと思います。ロシアの要求を満たすだけの妥協点は、すでに提示されているものと考えられます。
軍事や外交問題の専門家たちは、すでに期限付きの妥協案が存在していると主張しています。つまり、時間が経てばアメリカ覇権も徐々に力を失くし、解決に向かうという指摘です。いずれにしても、2022北京冬季オリンピックはいよいよ開催します。
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