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米ドル+コルレス銀行+SWIFTの決済システムを廃止に追い込む、中国の「デジタル人民元」

2022/2/8 (火)


新たな国際送金ネットワークの対応期限まで残り8カ月、邦銀に出遅れリスク
2020年3月23日 日経XTECHへのリンク画像です。

(出典:2020年3月23日 日経XTECH)


世界の基軸通貨である米ドルがインフレ率の上昇で減価し始め、国際的な決済機能の劣化についても世界中で指摘されています。


現在、国境を越えた決済はまず円やユーロが米ドルで換算されて使われることがほとんどで、この国際決済は「コルレス銀行」という金融機関のサービスを銀行間で提供する契約を結んでいます。


コルレス銀行は、送金プロセス全体を支える「SWIFT」という安全なメッセージを受け取るための通信プラットフォームを採用しています。このSWIFTへのアクセスが禁止されると、アメリカから経済制裁を受けているイランのように国際決済システムから排除されてしまいます。


SWIFTは、1970年代に採用されたシステムですでに50年も使われています。例えば、日本から海外に送金すると1回あたり数千円がかかりますが、決済自体も完了するまで数日かかっているのが現状です。


五輪でデジタル人民元をPRする中国の狙い 揺らぐユーロと日本円
2022年2月5日 朝日新聞へのリンク画像です。

(出典:2022年2月5日 朝日新聞)


今後、米ドルに取って代わる国際決済システムは、現在のところ唯一の選択肢として「デジタル人民元」とされています。デジタル人民元とは、中国の中央銀行「中国人民銀行」が2014年から開発研究が行われている法定デジタル通貨です。


スマホにインストールしたユーザーアカウントに、「電子ウォレット」から相手に直接送金できるという点ではビットコインのような暗号通貨に似ています。しかし、中国政府人が供給と発行を管理・監視しているので中央集権型です。


分散台帳によって管理されているビットコインのような分散型ではないので、いつでも誰が誰から「どこで」「何を」買い、「誰に」「いくら」支払ったのかが監視されているわけです。2月4日から北京冬季オリンピックが開幕しましたが、本格的に導入が始まりました。


まず、中国人民銀行がデジタル人民元を中国各地の銀行にシステム供給し、銀行は中国国民の口座に預金されている現金をデジタル人民元に置き換えています。そして、国民は銀行のATMで自分のスマホにインストールされているウォレットにデジタル人民元を入金します。


具体的な支払い方法は、電子マネーのように店舗の専用支払い機にスマホをかざすだけです。すでに中国では、北京や上海、海南、杭州など14省や28市で実証実験を行ってきました。


そしてオリンピック開幕から本格的に導入し、今年末までには中国全土で小売決済ができるようになります。また、デジタル人民元を国際決済に使うメリットも高く、国際的な企業間の決済もそれぞれの企業のウォレットで送金するだけで数秒で完了します。


《手数料大国日本》「このままではデジタル人民元に日本が乗っ取られる」 “Edyの生みの親”が警告する日銀がデジタル通貨を作らない「本当の理由」
2022年2月6日 文春オンラインへのリンク画像です。

(出典:2022年2月6日 文春オンライン)


コルレス銀行やSWIFTのような利権構造にまみれた仲介組織がなく、送金された現金の最終入金先である銀行の複雑な経理処理も必要ありません。手数料は1回あたり数十円で、決済は瞬時に完了します。


また、デジタル人民元では契約の自動更新ができる「スマート・コントラクト」を採用することが可能です。今後、国際貿易の支払いは米ドルではなく、瞬時に決済できるデジタル人民元を使う業者や個人が増えてくると思われます。


なぜかと言えば、デジタル人民元以外に送金が安くて速いシステムがないからです。そのデジタル人民元を管理する中国政府は、正式にTPP加入を申請しましたが、中国との関係が悪化しているオーストラリアなどが阻止しています。


しかし、中国がTPPに加入した際、デジタル人民元が加盟国との取引に全面的に適用する可能性があります。実際に、あらゆる企業が使うことのできる汎用性の高い国際決済通貨として世界中から注目されています。


アメリカのドル制裁にロシア(や中国)はどう対抗する?4つの戦略と中露独自の金融網とは:ウクライナ危機
2022年1月21日 Yahooニュースへのリンク画像です。

(出典:2022年1月21日 Yahooニュース)


一方、バイデン政権のアメリカはこの状況に全く対応できていません。アメリカの中央銀行FRBは、ようやく日銀など他国の中央銀行と提携し、研究を始めたばかりです。アメリカの法定デジタル米ドルを発行する予定は今のところありません。


北京冬季オリンピック閉幕後の2月末、バイデン政権のアメリカは中国の影響を抑えるためにカザフスタン、ベラルーシなど東側諸国にクーデターを仕掛けて正常を不安定化し、中国やロシアの国力を消耗させていくのは間違いありません。


ウクライナ問題を大げさに演出しているのも、ロシアを挑発して戦争に持ち込もうとしているからです。ロシアのプーチン大統領はウクライナに侵攻する意図はありませんが、バイデン政権のアメリカ(ディープステート=戦争屋)はマスメディアを使って煽っています。


アメリカが、アフガニスタンから米軍基地を完全撤退させたのをきっかけに、ウクライナ侵攻やカザフスタンのクーデターなどが起きていますが、世界はさらに混乱する可能性が高いと思います。中国の台湾侵攻は日本も関係していますので、注意が必要です。

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