イラン司令官、死につながった米軍攻撃計画の内幕
(出典:2020年1月7日 Reuter)
ここまで書いてきて私はウクライナ航空機墜落は、「軍産複合体」と「イスラエル」の仕業、中東情勢はさらに複雑になっており、状況を理解するためにこれまでの経緯を簡単に整理する必要があると思いました。
例えば、昨年12月27日はイラク北部でイラク軍基地からロケット弾が発射され、アメリカの民間人が死亡し、アメリカとイラクの複数の軍人も負傷したことが報道されています。
29日には、アメリカは報復としてイラクとシリアでイランを後ろ盾にするシーア派組織「カタイブ・ヒズボラ」の拠点を空爆し、20名以上の死者が出ています。31日には、この報復に抗議する形でイラクの首都バグダッドでアメリカ大使館の敷地内に群衆が乱入する事件が発生しました。
下のリンクは、昨年12月にイラク北部の米軍基地にロケットが飛んできた際の動画です。「どうやって生き残ったのか」という声が入っており、緊張感が伝わってきます。
What it’s like to survive a deadly rocket attack and the Iranian missile barrage in Iraq
(出典:2020年1月10日 Military Times)
アメリカ大使館の警備員が催涙ガスや銃を使用し、抗議活動は直ちに沈静化されましたが、これに対してアメリカのエスパー国防長官は、約800名の米軍の特殊部隊(第82空挺師団)を派遣するとの声明を出しています。
そして、年が明けた2020年1月3日、イラン国外で特殊作戦に従事するソレイマニ司令官が暗殺された事件が起きました。ソレイマニ司令官は、車列でバグダッド国際空港近くを走行中に米軍の無人攻撃機「MQ-9」による攻撃を受けたというわけです。
ソレイマニ司令官以外にも、「カタイブ・ヒズボラ」の最高指導者でシーア派武装民兵組織の「人民動員隊(PMF)」の副司令官でもあったアブー・ムハンディスを含む4人が死亡したと報道されています。
ソレイマニ司令官は、シリアやイラクに展開する多くの親イラン系武装勢力を全面的に統括する「イラン革命防衛隊」の少将で、イラン国内では「イランのチェ・ゲバラ」として尊敬され、人気が非常に高かったと言われています。
ソレイマニ殺害で“戦争再開”に米軍内でも疑問の声
(出典:2020年1月9日 Yahooニュース)
トランプ政権は、米軍基地を撤退するとは一言も言っていませんが、これが実現した場合、アメリカは中東での重要な軍事拠点を失うことになるのは明らかです。これが、欧米諸国や日本のマスメディアで報道されている内容です。
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