「中国崩壊論」は全部ウソ! 人は事実より、信じたいことを信じる弱い生き物
(出典:2013年7月31日 東洋経済ONLINE)
上記は10年前の報道記事ですが、日本の主要メディアは再び「中国崩壊論」を展開し始めており、中国現地から送られてくる現状とは誤差が生じています。
実際に、不動産バブルは確実に崩壊していますが、日本のように30年以上も経済が成長しないということはないように思われます。なぜかと言えば、中国共産党は日本の自民党のような無能・無策ばかりではないからです。
中国が崩壊する前に日本が崩壊した今、共産党幹部や富裕層などエリート層の中国人が本気で考えていることは、衰退していくアメリカに変わって世界覇権国になるのか、それともBRICS圏だけでやっていくのかです。
ウクライナ戦争ではロシアが勝利し、これから停戦交渉が始まろうとしています。停戦合意が破られたとしても、国境沿いで膠着状態が続くのであれば第3次世界大戦(核戦争)にまで発展していく可能性もあるわけです。
100歳キッシンジャー氏、軍同士の対話復活探る 中国国防相と会談
(出典:2023年7月18日 朝日新聞)
世界を引っ張ってきたヘンリー・キッシンジャーが100歳で亡くなり、これから中国の動きに注目する必要が出てきました。なぜかと言えば、今年7月にキッシンジャーが北京を訪問して李尚福・国防長官(後に更迭)と会談したからです。
キッシンジャーは、ニクソン政権時の大統領補佐官として極秘訪中し、米中の国交正常化に道筋を付けた立役者でした。コロナ前の2019年には、習近平国家主席と会談するなど中国側からの信頼も厚いとされてきた人物です。
だから、キッシンジャーが亡くなってもすぐに台湾有事(米中戦争)が起きることはなく、日本も当分の間は安心できる状態にあるように思います。脱税が明らかになった犯罪組織・自民党が政権を握る日本とは異なり、中国人は先を見通しているように感じます。
1970年代の「文化大革命」と1989年の「天安門事件」で多くの犠牲者を出した後、中国人はイギリスとアメリカの世界覇権が偽善(グローバリズム)であったことを理解して独自の外交を展開してきました。
つまり、社会主義と資本主義の両輪で何とか乗り越えてきた中国が、日本のような「失われた30年」を経験することはあり得ないということです。結局、日本人より中国人のほうが頭がいいということです。
頼みの綱、日本リースの破綻【『再起動 リブート』試読版第19回】
(出典:2017年1月30日 DIAMOND online)
そもそも、日本のバブル崩壊の引き金になったのは、日銀が実施した「政策金利の急激な引き上げ」と大蔵省による「総量規制」でした。ここ数年、アメリカFRBが利上げして景気を悪化させているように、当時の日銀も景気を悪化させました。
また、大蔵省は銀行が不動産業界に貸し出す融資額を規制したことで、全体的にカネが回らなくなったわけです。不動産バブルで儲けるには、まず銀行からの融資を受けて土地を購入してひたすら待つことです。
しかし、急に融資額が減らされたことで不動産会社は金利上昇で借金が膨れ上がり、返済のために一斉に土地を売ったことで今度は地価が暴落しました。その結果、多くの不動産会社が経営破綻し、莫大な不良債権を抱えた北海道拓殖銀行などが破綻したのが1997年でした。
不動産バブルが崩壊した1991年以降、銀行は経営を圧迫する不良債権に対応し、返済できない企業や個人に対して「貸し渋り」や「貸しはがし(差し押さえ)」を行いました。不動産業以外の業種にも影響を与え、企業の多くは年功序列や終身雇用をやめるようになりました。
日本が日本ではなくなってしまったため、就職氷河期などで社会人になれなかった現在40代後半〜50代前半の世代は、政府や自治体、大企業を信用しなくなりました。それでも自分で事業を起こす勇気と才能がないため、今でも苦しみ続けているのが現状です。
ついに世界中で「不動産バブル崩壊」が始まった…「中国の不動産大手破綻」が日米欧にも波及する根本原因
(出典:2023年12月11日 PRESIDENT Online*)
湖北省武漢で始まった2020年コロナ騒動の中、中国当局は大手の不動産会社への融資額を減らすように銀行に圧力をかけたことで、2022年には不動産大手(デベロッパー)の「恒大集団」や「碧桂園」、「融創中国」、「万達集団」などが債務不履行状態に陥りました。
具体的には、工事請負業者への支払いや住宅の引き渡し、資産管理商品の購入者への返済ができなくなったということです。実は、中国の不動産会社は米ドルで資金を調達しており、金利上昇で外国人投資家への返済にも失敗しました。
そして、アメリカで破産法の適用を申請せざるを得なくなったというわけです。だから、不動産会社の破綻で不良債権が増えたとしても、中国国内の銀行にはほとんど影響がないことがわかります。つまり、日本のバブル崩壊時とは全く状況が異なります。
融資平台とは 中国地方政府の資金を調達
(出典:2023年6月15日 日本経済新聞)
しかし、中国の不動産バブルをリードしてきた地方(省)政府の金融機関「融資平台」は、銀行から資金(ファンド)を集めてきました。融資の返済保証は省政府が行いますが、もし省政府が債務不履行に陥ると銀行は不良債権を抱えることになります。
30年前の日本のように中国でも貸し渋りや貸しはがしが行われる可能性があります。ところが、アメリカや日本に留学して金融経済の失敗例を学んできた中国人は、打開策を行って対処していくものと思われます。
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