イスラエルとハマスの指導者の逮捕状、ICCが請求 ネタニヤフ氏は「虚偽」と強く非難
![2024年5月21日 BBCへのリンク画像です。](image/2024060501l.jpg) (出典:2024年5月21日 BBC)
先日、ガザ戦争中のイスラエルとハマス指導者に対して、国際刑事裁判所(ICC)のカリム・カーン主任検察官は逮捕状を請求したと報道されています。
しかし、今回はイスラエルが約10年にもわたってICCの活動を妨害・脅迫してきたことも含めた逮捕状であり、このことをイギリスの大手新聞社「ガーディアン紙」なども協力し、パレスチナの人権活動が監視されてきたことも報道されています。
具体的には、ネタニヤフ政権が諜報機関モサドを中心とした裏工作を展開し、警察や検察、裁判所にも監視させていたということです。イスラエルの秘密作戦については調査中であり、世界中でイスラエル包囲網が敷かれているわけです。
もはや日本の主要メディアの報道だけでは何もわからず、先月から始まったイスラエルのラファ攻撃についても日本を含む世界でどのような影響が及ぶのか、まずは6月8日に向けて予測しておく必要があります。
戦争を始めた世界のエリートは自国民を守らない ミアシャイマー『大国政治の悲劇』が示す国家の自己保存
![2024年5月19日 東洋経済ONLINEへのリンク画像です。](image/2024060502l.jpg) (出典:2024年5月19日 東洋経済ONLINE)
ウクライナ戦争の時もそうでしたが、今世界で最も的確に地政学リスクを分析しているのがシカゴ大学(政治学)のジョン・ミヤシャイマー教授です。今回、イスラエルについての未来予測を論文や講演などで発表しています。
まず、イスラエルには約750万人のユダヤ人と約800万人のパレスチナ人が存在しており、イスラエルが民主的に国家運営を行うと出生率が高いパレスチナ人の人口が急増し、このままではユダヤ人は少数派になってしまうということです。
だから、ネタニヤフ政権はヨルダン川西岸地域のパレスチナ解放機構(PLO)を弱体化するため、ガザのハマスを支援していました。つまり、イスラエルとハマスは仲間であり、今起きている戦争は演出された偽旗作戦です。
イランとイスラエル、直接攻撃で破られた戦略的沈黙、中東最大の火種はどこへ向かう?
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その証拠に、ガザから近いテルアビブのベングリオン国際空港は閉鎖されておらず、毎日のように離発着する航空機が行き来しています。あくまで戦争とは別に経済を優先させ、日常生活にはほとんど支障がありません。
しかし、ネタニヤフ政権にはガザ攻略のための計画はなく、行き当たりばったりでとにかくパレスチナ人を大量虐殺しているだけです。基本的に、イスラエル軍の防衛方針は報復攻撃であり、もしアメリカの支援がなければ不可能です。
少なくとも、イランとの全面戦争は時期早々であり、シリアのイラン大使館を攻撃して報復攻撃を受けても、イスラエルはジッと我慢してレバノン南部のヒズボラとイエメンのフーシー派との戦いに集中しています。
イスラエル前国防相、6月8日までにガザ統治方針合意なければ政権離脱すると最後通告
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ミヤシャイマー教授の予測では、イスラエルは国際社会で孤立しており、アメリカ国内でも大学生の抗議運動などで反発が強まっています。また、ネタニヤフ首相はガラント国防相はICCに告訴されており、ガンツ前国防相だけが6月8日に何かが起きると懸念しています。
結局、中東ではアメリカよりも中国やロシアの影響力が強くなっており、イスラエルとアメリカはガザ戦争の政治的な敗戦国となってしまいました。一方、イランはヒズボラやフーシー派など武装勢力を動かしながらハマスを支援していることで、政治的に勝利国となりました。
イランは、すでにイスラエル本土を極超音速ミサイルで攻撃する能力を示しており、弾頭に核兵器を搭載することについてイスラエルは大きな脅威を感じています。イランの核開発を妨害することもできなくなり、いよいよアメリカ覇権がイスラエルと共に崩壊しようとしています。
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