アメリカ、1日あたりの新型コロナ感染者数が過去最多に ― 大統領選の激戦州で感染が拡大
(出典:2020年10月30日 BUSIESS INSIDER)
現在、再び欧米諸国を中心に新型コロナウイルスの感染拡大が止まらなくなってきました。アメリカの新規感染者数は前週比で25%増の約50万人と発表され、10月25日までの一週間の死者数は5000人を超えています。
前週から死者数が15%も増加し、少なくとも2週連続で死者数が増えた州は51州中16州になり、前週の9州から倍近く増え続けています。
欧州の1日の新型ウイルス死者数、前週より40%増加=WHO
(出典:2020年10月28日 BBC)
一方、ヨーロッパでも新型コロナの第二波が到来し、10月23日には世界全体で1日当たりの新規感染者数は約40万人と発表されています。イギリスとEU(欧州連合)を合わせると、約14万人となり、世界全体の40%近くを占める勢いです。
10月に入ってからは、イギリスとEU加盟国の新規感染者数が指数関数的に増え続けています。このような状況から、ドイツのメルケル首相は再拡大する感染拡大に対応するため、11月2日から1ヵ月間、一部ロックダウンを実施すると発表しました。
メルケル首相は、ドイツの16州の知事との会議後、感染状況が極めて深刻であり、直ちに行動を取る必要があると公表しています。同時に、今回のロックダウンは「経済的影響を最低限にすることが目的」と強調しています。
また、フランスのマクロン大統領は新型コロナの感染防止に向け、10月30日からの1ヵ月間、フランス全土で再びロックダウンを実施すると発表しています。
フランス国民は、スーパーで必要な食料品の購入したり、病院で医療処置を受けたり、毎日1時間程度の散歩以外は「自宅待機命令」が発令されています。外出時には、特別な証明書の保持が義務付けられており、警察官によるチェックも実施されるとのことです。
スペイン、全土の緊急事態宣言を来年5月まで延長
(出典:2020年10月30日 Reuters)
さらに、スペインにも再び非常事態宣言を発動されています。スペイン政府によると、来年5月まで続く可能性があるようです。スペインの非常事態宣言では、基本的に午後11時から朝6時までの間、通勤などの正当な理由がない限り外出が禁止されています。
その他の規制ルールは、基本的に各自治体に任されているようですが、その他の国でも様々な対策が行われています。特に、チェコの新規感染者数は予想を超えており、ベルギーやオランダ、イギリスの順に多くなっています。
欧米諸国で再び感染拡大が起こっている主な理由は、第一波の時に経済悪化への影響を恐れるあまり、政府や自治体が厳しい対策を継続できなかったことにあります。
そして、個人の権利を重視し過ぎた民主的な対応によって、中国のような共産党による独裁政権のように国民を力づくで抑え込むことができず、感染症対策を地方自治体主導で対応したことや、国境を越えた移動の自由が認められていることなどが原因であるように思います。
欧米諸国で起きている感染拡大の第二波は、毒性が上がることでより感染力を強化した「ウイルス株が突然変異」していることが特徴です。
今後、突然変異したウイルス株が日本にも入ってくる可能性は高く、第一波の時よりも注意が必要となってきます。日本でも感染拡大の第二波が発生しつつある中、危険性がますます高まってきました。
台湾内で200日連続感染なし−新型コロナ対応「世界最良」との評価も
(出典:2020年10月29日 Bloomberg)
ただし、なんと台湾では感染なしの記録で2位以下を大きく引き離し、4月12日以降の感染者が出ていません。第一波がなかったので、感染の第二波も来ないわけです。
新型コロナ、第2波で年齢にかかわらず死亡率が低下したワケは?
(出典:2020年10月2日 日経バイオテク)
そのような状況の中、世界各国の致死率は第一波よりも大幅に低下しています。イタリアの6.6%やイギリスの4.9%、スペインの3.1%、フランスの2.9%、ドイツの2.2%、そしてアメリカの2.5%を比較すると、日本の1.7%は先進国で断トツに低くなっています。
今年6月のイタリアやイギリスの致死率は約15%で、スペインやフランスは約10%、アメリカは約6%、そして日本が約4%であったことを考えると、致死率は約4ヵ月で30%以上も下がったことになります。
致死率が低下した原因はまだ分かっていませんが、再び感染拡大を引き起こさせるためにウイルスが人間の体内に潜んでいるのか、それともウイルス自体が弱毒化しているのか、または医療体制によって死亡者数が減少しているからなのかはわかっていません。
ちなみに、今年のインフルエンザによる致死率は世界全体でたったの0.1%しかなく、新型コロナの致死率が1%を切るようになれば、その危険性は緩和されてくるものと考えられます。
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