きょう「防災の日」首都直下地震被害想定は死者2万人超も
(出典:2021年9月1日 NHK NEWS WEB)
「防災の日」首都直下地震想定オンライン対策本部設置し訓練
(出典:2021年9月1日 NHK NEWS WEB)
昨日は「防災の日」で、今週は防災週間として全国各地で様々な防災イベントが行われます。この時期に、食料備蓄や災害時の食について見直す必要がありそうです。
前々回、災害時にはパンを焼くのが効率性が高いことを説明しました。しかし、ドライイーストは価格が高く、長期間の保存に向いていません。そこで考えられるのが、天然酵母を自分で作ることです。
【自家製酵母】食パン@ストレート法で焼く自家製酵母の食パン、WHITE BREAD、自家製天然酵母
(出典:2020年5月11日 Youtube@IN THE OVEN 自家製酵母のパンと料理)
最近、近所に次々と「高級食パン店」が新規オープンしています。いわゆる「天然酵母パン」ですが、ドライイーストではなく、リンゴやブドウ、ヨーグルトなどを水を入れた容器に漬けておくだけでも酵母菌は作れるわけです。
ただし、同じ果物でもレモンやオレンジなどの柑橘類では酵母菌は作れません。常温で3日程度つけておくと次第に泡が出てきますが、その汁を小麦粉(薄力粉&強力粉)や砂糖、塩に漬けてさらに2日程度待ちます。
小麦粉が泡立ってきたら「酵母菌」の出来上がりです。パンを焼くのに使う量は100グラムほどですが、容器は洗わずにその上から再び小麦粉や砂糖、塩にかけて何度も繰り返して酵母菌を再利用していきます。
この繰り返しで、半永久的に天然酵母は作り続けられるので、1年間はドライイーストなしでパンを食べ続けることができるようになります。結局、1斤50円もかからずに毎日美味しいパンが食べられるわけです。
しかも、スーパーやコンビニで購入するパンのように添加物が入っていないので、健康にもいいと思います。ホームベーカリーが使えるうちは便利ですが、災害時に停電した際にはたき火かコンロでパンを焼くことになります。
ホームベーカリー天然酵母コース のレシピ 51品
(出典:cookpad)
ホームベーカリーには、「天然酵母コース」や「発酵コース」という短時間でパンを膨らましてくれる機能がついています。小麦粉と砂糖、塩、牛乳、酵母、そして水を容器に入れてセットするだけで、誰でも焼き立てパンが作れます。
その間、40度近い保温状態で発酵が行われますが、この機能を利用してパン生地自体を長時間発酵させることもできます。なお、災害時はこのプロセスを自然発酵させるしかありません。12時間程度で生地が盛り上がってきます。
天然酵母パンは、発酵時間がドライイーストよりも10倍以上必要なので前日に仕込んでおき、起きてからパンを焼くようになります。最初の頃は、天然酵母の量や菌が少ないなどで失敗を繰り返すと思います。
「いつも」の暮らしが「もしも」に役立つ フェーズフリーという備え方
(出典:2021年9月1日 Yahooニュース)
食材となる小麦粉は、スーパーで購入できますが賞味期限は半年程度です。小麦粉は、前回紹介した玄米より日持ちせず、白米と同様に虫が湧くことがあります。だから、賞味期限で使い切るローリングストックが有効です。
実は、最も理想的なライフスタイルは小麦や玄米を栽培することですが、都市部に住んでいる人は不可能です。家庭菜園が可能な庭を持つか、田舎に農地を持ち、なおかつ脱穀と精米(精白)ができる体制があればもう何も言うことはありません。
例えば、200万人都市の札幌市で大災害が起きた場合、郊外や農地に移住して外界と断絶した生活になっても天然酵母パンを作ることができます。もし現代文明が崩壊した場合、砂糖や塩は手に入らなくなりますのである程度の備蓄は必要です。
パン作りに必要な水は、都市部を離れるほど、あるいは山の麓に近いほど手に入りやすくなります。単純に飲料水にもなりますが、水さえあれば何とか生き残ることはできると思います。たとえインフラが数日で復旧したとしても、その間は低コストで豊かな食生活をすることは可能です。
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