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明治時代の北海道が舞台の人気漫画「ゴールデンカムイ」と40年前に描かれた「シュマリ」

2016年のマンガ大賞を受賞した「ゴールデンカムイ」ですが、これまでになかったタイプの北海道を舞台にした西部開拓劇風の漫画があります。有料チャンネルではすでにアニメとして放映されています。


ゴールデンカムイの一コマ


実際に、このタイミングで北海道の歴史をテーマにした漫画が登場したことの意味は大きく、必然とも思えてきます。政府はアイヌ新法を制定し、アジアを中心に世界中から北海道に対する興味が高まっているわけです。


時流に乗った漫画やアニメというのは、社会現象を起こすことが証明されており、これまでも北海道を舞台にしたある獣医の物語などは、その後、北大獣医学部や酪農学園が日本中から学生を集められるきっかけになりました。十勝を舞台にした漫画では、農業高校に目を向けさせるきっかけになりました。


「ゴールデンカムイ」は、明治時代の北海道を舞台にしたあらゆる要素を取り込んでおり、主人公で日露戦争の生き残りである「不死身の杉元」とその仲間たちが、土方歳三率いる旧幕府の生き残りと陸軍第七師団がアイヌの金(ゴールド)を巡って三つ巴の争いをするという設定です。


また、時代考察としてのリアリティーも感じますが、全体としてはフィクションであることから、現代的な表現をふんだんに盛り込んでいるところがポイントとなっているように思います。


マンガ大賞は本屋大賞と同様に、作家や業界人ではなく、書店員が選考の中心という販売のプロでありながら、一般読者に近い感性で選考することで注目を浴びている賞とも言えそうです。


書店員というのは女性が多いため、友情・努力を前面に押し出す少年ジャンプのような価値観ではなく、広い視野や知識を重視する傾向があることから、過去9回の内7回が女性漫画家の受賞で、ゴールデンカムイの作者である野田サトル氏は2人目の男性漫画家の受賞となりました。


この物語は、小樽近郊から始まりますが、目的地は網走監獄、そしてその後は樺太(サハリン)に移っていきますが、北海道の歴史学や地政学に絡めたストーリー性があり、人間の手には負えない自然、獰猛な羆や狼を含め、北海道ならではの厳しさが盛り込まれています。


この厳しい自然に囲まれた北海道を生き抜く知恵が先住民アイヌの知恵として描かれており、主人公と一緒に行動するアイヌの少女の存在が重要となっています。毎回、北海道の動物を狩った後に出てくるのがアイヌ料理です。


明治初期の北海道という世界観を生き抜く知恵としてアイヌの暮らしの知恵が描かれていますが、衣食住に狩猟術、サバイバル術、死生観、宗教観などは別にイデオロギーが強いわけでもなく、何かしらのアイヌ文化に対する興味が湧くのは明らかです。


当時の成人男性の平均身長は160センチほどで、現在と比べると実は体力的には強いわけでもないですが、現在よりも精神的には逞しいことがわかります。この漫画を読んで私が感じたのは手塚治虫による「シュマリ」という1970年代に連載された漫画に似ているということでです。


シュマリの一コマ


明治政府によって次第に開拓され、アイヌも自然も追いやられている明治初期の北海道を、映画的な描写と壮大な歴史背景の下、魅力的な男女のキャラクターが交錯する一大歴史ロマンです。この漫画でも、北海道でのサバイバル要素とアイヌ文化要素が絶妙に絡んでいました。

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