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「ペトロ・ダラー(石油×米ドル)」と「ペトロ・ルーブル(石油×ルーブル)」の違い@

2022/6/21 (火)

ロシアの侵攻で起きる?「ドル地位低下と人民元台頭」
2022年6月18日 毎日新聞へのリンク画像です。

(出典:2022年6月18日 毎日新聞)


米ドルが「世界の基軸通貨」として採用されたのは終戦前の1944年で、1971年までの米ドルは金(ゴールド)の発行量で裏付けされた「金本位制」が採用されていました。


アメリカでは、各国政府から要求があれば「国際準備通貨」として金1オンス35ドルで交換されていたわけです。そして、他の通貨の為替レートはドルに対して固定されており、いわゆる「固定相場制」が採用されていました。


ところが、ケネディ大統領暗殺後に昇格したジョンソン大統領は、ベトナム戦争に巨額の予算を計上し、国内でも大規模な社会福祉事業を展開したことから、アメリカの財政状態は悪化して破綻寸前まで追い込まれてしまいました。


そのような状況の中、ヨーロッパ各国はアメリカの財政危機から逃れようと、保有していた米ドルを金と交換する動きに出ました。だから、当時のニクソン大統領は金の流出を避けるため、国際的に金と米ドルの交換を停止すると発表しました。


《ドル没落》米国が対露制裁の先に見るのは中国包囲網の完成か
2022年6月13日 週刊エコノミストonlineへのリンク画像です。

(出典:2022年6月13日 週刊エコノミストonline by 毎日新聞)


歴史の教科書などで「ニクソン・ショック」という言葉を聞いたことがあると思いますが、米ドルの価値が各国の為替市場で急落してドル安が進んだわけです。この時、通貨の価値が為替市場で決まる「変動相場制」へと移行した瞬間です。


世界の基軸通貨であるはずの米ドルの価値が暴落し、世界中で米ドル離れが進もうとしている時、ニクソン政権の閣僚であるキッシンジャー国務長官は、サウジアラビアなど産油国で結成されたOPECと重要な取り決めをしました。


その内容は、OPEC諸国は「石油を米ドル建てのみで販売する」というものでした。そして、大量の米ドルを受け取ることになったOPEC諸国は米国債を購入させられました。そして、その見返りとしてアメリカはOPEC諸国を軍事的に防衛する約束をしたわけです。


アフリカ諸国がいつまでも「世界最貧国」であり続ける理由と、ヨーロッパ諸国が今なおアフリカに強要する「新植民地主義」について
2020年10月15日 週刊エコノミストonlineへのリンク画像です。

(出典:2020年10月15日 週刊エコノミストonline by 毎日新聞)


当時、中東(アラブ)諸国はイスラエルと戦争状態にあり、アメリカからの資金援助を必要としていました1967年にゴラン高原のユダヤ人入植地の建設がきっかけとなり、第三次中東戦争では制空権を失ったアラブ諸国が地上戦でも敗北しました。


エジプトやシリア、イラク、ヨルダンなど、国家存亡の危機の中で、最も重要な石油の国際的な決済通貨が米ドルになることはアメリカにとっても政治的にプラスに働きました。何よりも、原油価格が安定するようになり、米ドルは国際貿易のあらゆる分野で決済通貨として使われることになりました。


そしてほぼ同じ時期に、米ドル中心の国際送金・決済ネットワーク「SWIFT」が設立され、変動相場制でようやく米ドルが基軸通貨と認識されるようになりました。しかし、2000年にイラクのサダム・フセイン大統領が石油をユーロで販売した時、ドル崩壊が始まりました。


その後、アフリカ諸国共通通貨の発行を目指していたリビアの最高指導者ムアンマル・カダフィ大佐も米ドル決済に反対したことで、アメリカとNATOに戦争とクーデターで攻撃されてこの2人の大統領は殺されています。


その他、エジプトのムバラク大統領などもIMFや世界銀行から離脱し、金(ゴールド)を裏付けにした金本位制の新しい金融システムを確立しようと動いていました。しかし、エジプトでもクーデターを起こされて、ウクライナのように政権交代が起きました。


結局、アメリカとイギリスが中心の金融システムから脱却しても、安定を維持しているのはロシアだけということになります。アフリカ諸国は、ロスチャイルド家が支配する経済圏から自立しようと画策しましたが、何度も失敗しています。


世界のドル離れ加速、揺らぐ基軸通貨…リーマンショック級の経済危機再来に警戒
2022年4月9日 Business Journalへのリンク画像です。

(出典:2022年4月9日 Business Journal)


いずれにしても、市場の需給関係で価値が変化する現在の変動相場制では、米ドルが基軸通貨の地位を支えているのは、石油の決済がドルで行われているからです。これが、もう50年以上も「ペトロ・ダラー」と呼ばれる理由です。


そして今回、ロシアがウクライナへ侵攻したことでアメリカの影響力が弱まり、ロシアの通貨ルーブルによって「ペトロ・ルーブル」が現実味を帯びてきました。西側諸国は、ロシア政府が保有する6400億ドルの資産を没収し、米ドルを使えなくするためにSWIFTから排除しました。


ところが、アメリカ側についているのは世界150ヵ国中、たった45ヵ国だけであり、ロシア側には残り110ヵ国がついている状態が続いています。日本のメディアはアメリカ(ウクライナ)が優勢と報道していますが、世界の流れはロシアに向いているのは明らかです。

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