「ウクライナ軍の反攻失敗」「死傷2万6千人超」 ロシア国防相、クラスター弾使用にも言及
(出典:2023年7月12日 産経新聞)
とうとう日本の主要メディアも、ウクライナの反転攻勢が失敗したことを報道し始めましたが、敗色濃厚であることまでは認めていないようです。
日本語ソースの情報しか見ない、読まない日本人のほとんどは、ウクライナ人がゼレンスキー大統領に家族を殺された、と思い始めていることを知りません。この差こそが、これから生き残るかどうかの基準となります。
ロシア国防省の発表では、ロシア軍の攻撃によってウクライナ軍の死傷者が3万人を超え、西側諸国から供与された兵器も大量に破棄されているようです。ウクライナ軍は、ロシア軍の防衛線を突破できず、仕方なく緩衝地帯を「奪還した…」と発表している状態です。
東部では、10万人の兵士と1000両の戦車を投入したロシア軍の攻勢に押され、ウクライナ軍は圧倒され続けています。また、南部でもロシア軍の猛攻で敗走していると現地の独立系ジャーナリストたちが動画で説明しています。
先日、クリミア半島とロシア本土を結ぶ橋が再びウクライナのドローン攻撃で破壊されましたが、ロシア軍が輸送手段として利用している鉄道網に問題はなく、報復としてウクライナ西部にあるインフラ施設をミサイルとドローンで攻撃しました。
ウクライナ軍、「強固な抵抗」に苦戦 ロシア軍の戦線への攻撃で損失被る 米当局者
(出典:2023年6月9日 CNN)
日本のメディアがウクライナに不利な内容の報道が流れた理由は、アメリカの主要メディアがウクライナ軍が苦戦していることを素直に認めつつからです。ウクライナ戦争前から約9割の視聴率を失ったCNNは、さすがに「フェイクニュース」を流せなくなっています。
具体的には、ロシア軍は防衛線として大量に地雷を使用し、1日約6万発の砲弾で攻撃しています。一方のウクライナ軍は砲弾が不足しており、ロシア軍の1/10の兵力で戦っているのが現状です。
ウクライナ軍は、数万機のドローンでロシア軍を攻撃していますが、ロシア軍はGPSと電波妨害装置でドローンを無効化し、爆弾の投下を最小限に抑えています。もはやウクライナ軍の敗北はほぼ決まり、西側メディアも論調を変えざるを得ないわけです。
そのような状況の中、民間軍事会社のワグネルに新たな動きが出始めています。クーデター騒ぎの演出後、ワグネルの兵士たちはベラルーシに入国し、ほとんど実戦経験がないベラルーシ軍兵士の訓練を担当するようになりました。
プーチン大統領、ワグネルのトップに元大佐を提案
(出典:2023年7月17日 東亜日報)
ワグネルの指揮官も、創始者のエフゲニー・プリゴジンからシリア軍事作戦で活躍した元ロシア陸軍の退役軍人で「アンドレイ・トロシェフ元大佐」という人物に代わり、引き続き「特別軍事作戦」を実行するということです。
実は、指揮官交代についてプーチン大統領とプリゴジンの間で意見が割れたと言われています。結局、数時間に及ぶ議論の中でロシア軍の実力者が選ばれました。プーチンからロシア語で「セドイ(白髪)」と呼ばれるトロシェフ元大佐は、チェチェン紛争やアフガニスタン紛争でも活躍した軍人です。
同時に、ワグネル創始者のプリゴジンは運営権を剥奪され、その後は詳しいことはわかっていませんが、警察がサンクトペテルブルクの邸宅にある米ドルやルーブル、銃などを一時的に押収されたと報道されています。
「ワグネル目的地はポーランド」 プーチン氏と会談、西側けん制―ルカシェンコ氏
(出典:2023年7月23日 時事通信)
トロシェフ率いるワグネルはベラルーシ軍兵士を訓練していますが、ウクライナ軍の反転攻勢の失敗が決定的になれば、ウクライナ戦争はいよいよポーランドやリトアニアに移行する可能性があります。
NATOの補給路を分断したいロシアは、ベラルーシに拠点を移したワグネルを中心にポーランドとリトアニアの動きを止めるよう指示を出していると思われます。今後、西側諸国はロシアとの和平に向けた交渉を行うのか、それとも戦線が拡大するのかは8月に判明します。
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