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「選挙制度」と「世襲制度」の歴史法則について


今、アメリカのトランプ大統領の関心事は、「選挙資金の確保」と「アメリカ国民の投票行動」、そして「アメリカ国民の経済状況」です。


つまり、自身の選挙資金の確保のために、わざと暴言と奇行によって株価の乱高下を演出し、外交の場では印象がいいだけの交渉を行い、アメリカ国民の社会保障である株式を高値水準に維持しているわけです。


実際、この3つ以外には興味はないらしく、この3つを前提の上にアメリカが世界の覇権国としての秩序形成を行う仕事をしているということです。そういう意味で考えると、トランプ大統領は民主主義の構造に極めて忠実な政治家であるように思います。


要するに、アメリカという「ポリス」(古代ギリシャの都市国家)のように、住人のための民主主義に最適化された政治家がトランプ大統領ということです。トランプ大統領は、まるで民主主義で選ばれたアテナイのペリクレス以来の大衆扇動型執政官のように仕事をしています。


「ポリス」という概念は、自由と自治を理想とした市民や宗教共同体の一員であるばかりでなく、国家共同体の一員として政務や軍務に関わることを言います。完成されたポリスの時代には、そうした市民団の枠として外国人や奴隷などと身分的に厳格に区別されていたようです。


現代では、当時とは科学技術のレベルが異なり、都市国家ではなく大陸国家ですが、その連合体が民主主義国家であって、その後のローマ帝国時代では「選挙で選ばれる皇帝」を輩出していきました。


一方、世襲制で選ばれた皇帝はほとんどが失脚し、政治家2世、3世や企業経営者の息子や娘が国や会社を破綻に追い込んでいることが今、実証されています。


歴史を正しく振り返ってみると、これまで世界各国では「選挙制度」と「世襲制度」は何度も入れ替わっており、最終的には軍事政権が誕生することで国が崩壊しています。しかし、権力構造を決めるために選挙で選ばれる方法は、西洋ではローマ教皇のように今も引き継がれています。


他方、日本でもローマ帝国と同じことが起こり、江戸時代では跡継ぎをたくさん生ませた徳川家康によって、権力闘争が健全に機能しており、2代目の秀忠や3代目の家光のようなボンボンであっても、周りに支えられて何とか生き残ることができたわけです。


ところが、史上最年少で将軍となり、史上最年少で死去した7代目の家継の代でいよいよ徳川幕府が崩壊するタイミングにあっても、8代目の「暴れん坊将軍」吉宗のような頭の良い将軍が跡を継ぎ、忍者を連れてきて見事に再生させたこともありました。


明治維新から3代目が昭和天皇のように、血縁だけで権力を継承しようとすると、必ず3代目あたりで国が破綻していくことがわかっています。つまり、権力闘争だけで権力を継承するというシステムは社会構造を壊していくということです。


徳川吉宗の血統は徳川家ですが、母親は徳川家の召し使いで元々は農家の娘であったようです。幼い頃は手に負えないほどの「暴れん坊」であったことは有名な話です。


いずれにしても、この世襲制度の反対が選挙制度なのですが、実は5000年前の石器時代から選挙制度は存在していたようです。当時、部族単位の選挙がされており、それに宗教が共有されて部族の長が受け継いでいたとされています。


このように、選挙制度を導入している時代は何とか機能していますが、世襲制度の王族がクーデターによって政治家に権力が移行する場合、必ず権力闘争で殺し合いが起こります。このおかげで文明の刷新ができるようになりますが、急激な人口減少を伴うためにアフリカなどの部族社会は進歩が遅いことがわかります。


今、日本はこのような権力闘争の状態にあり、安倍首相を中心に政権(部族)が部族政治(特定の企業や個人を優遇)をしているだけなので、国民に対して何にもしないに等しい政権が6年以上も続いたことで、社会が完全に衰退してしまっています。


当然、アメリカ大統領の命令によって、わざと頭の出来が悪い総理大臣が次々と選ばれているわけですが、安倍首相に統治させることで徐々に日本人の活力を奪っているのは誰の目にも明らかです。


今後、世界中から外国人が日本に働きに来るわけですが、多民族による様々な協力が必要になるものと考えられます。職業的な結合力がなければアメリカのように社会が混乱するため、どうしても選挙制度を捨てられませんが、社会の安定性のためには一旦は全てをリセット(デフォルト)する必要があるように思います。


結局、歴史的には様々な問題があった中でも、アメリカの民主主義は最も機能しているのかもしれません。しかし、権力を得るためには殺し合いをするというのが難点であるということです。

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