山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信
(出典:山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信)
感染拡大が止まらない今後の東京都の感染予測についてですが、感染状況を確認してこれからどうなるのかを国内外の様々なシンクタンクの情報を参考にして分析しました。
私たちAtlasでは、陽性率と実効再生産数が近いアメリカのオレゴン州と比較し、一日の感染者数が400名を超えるのも時間の問題と考えていましたが、感染の拡大がいつ収束するのか全くわからなくなっています。
東京都の陽性率は6%前後で、実効再生産数は1.2人。この数値だけを見ると、これが高いのか低いのかよくわからないだけでなく、どの程度のペースで感染の拡大が続くのかさえわらない状態です。
東京都と大阪府と、感染の再拡大により経済活動を再び制限したカリフォルニア州各地との比較ですが、東京の人出は感染者が急増しているロサンゼルスと似ており、大阪はさらに多い人出となっています。
世代別・性別の外出率とCOVID-19陽性者割合との関係
(出典:2020年7月15日 キャノングローバル戦略研究所)
日本とアメリカ各州の数値と比較してみると、実効再生産数は日々変動しており、アメリカでは感染は拡大しているものの、増加ペース自体は確実に低下しているのがわかります。
また、拡大が続く地域も南西部から中東部の州に移動しており、7月後半に全米で実効再生産数が最も高かったのが実効再生産数1.37人、陽性率7.2%のケンタッキー州です。ちょうど日本の全国平均1.41人と東京都の1.21の中間の数値に位置しています。
人口が500万人にも満たない人口密度が低いケンタッキー州と、日本や東京都では条件が大きく異なるので安易に比較することはできませんが、必ずしも日本の実効再生産数が低くくないことを示しています。
ケンタッキー州のように東京都の毎日の感染者数が400人を越える水準まで高まるのかどうかはわかりませんが、実効再生産数が1人以上が続くのであればこれから感染者数は増えることだけは間違いありません。
世界の感染者数
(出典:NHK 特設サイト 新型コロナウイルス)
実際に、新型コロナウイルスの死亡者数に関して、未だに日本も含め各国政府の分析方法が完全ではなく、感染拡大のコントロールにも完全に失敗しているように思われます。
7月現在の段階で、世界の死亡者数は65万人程度ですが、実際の死亡者数は優に100万人を超えているものと考えられます。明らかに死亡者数は過小に集計されていますが、8月の発表では100万人を超えてきます。
死亡者数が増えていることで未だに感染拡大が続いていることがわかります。結局、ロックダウン(日本は緊急事態宣言)による行動規制の解除があまりに早かったということです。このままでは、延期された東京オリンピック開催予定の1年後もパンデミックは収まらないと思われます。
【ロンドン五輪】日本選手団は開会式でどうして退場したのか? JOCに問い合わせたところ「誘導ミス」と判明
(出典:2012年7月31日 exciteニュース)
つまり、2020東京オリンピックはすでに開催不可能であり、事実上の返上決定ということになります。開催を信じている人々がいるのと同様に、新型コロナウイルスの危険性を正しく認識していない人々が未だに市中を活発に動き回り、感染を拡大させているのが現状です。
現在、ヨーロッパ諸国では一時的に感染拡大が落ち着いた状況にありますが、経済活動の緩和がこのまま続けば、近い将来かならずマスク着用の強制と厳しいロックダウンが実施されることになります。
中南米、コロナ感染最多地域に 米・加の合計抜く=ロイター集計
(出典:2020年7月27日 Reuters)
オーストラリア、1日のコロナ死者が過去最多感染者数も高止まり
(出典:2020年7月26日 AFP BB NEWS)
北半球が夏の真っ盛りにある中、南半球に位置する真冬の南米やオーストラリアなどで感染拡大が止まらなくなっています。ということは、11月頃には北半球に位置するヨーロッパや日本でも第二波が来るということです。
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