Thailand medical news
(出典:Thailand medical news)
新型コロナウイルスの感染爆発のさらなる拡大を示す情報として、ついに南米の感染拡大が報じられています。
正確な感染状況を伝えるメディアの一つに、「タイランド・メディカル・ニュース」があります。日本ではあまり知られていませんが、タイは感染症研究の分野では最先端の国でもあります。歴史的に感染症が多かったことも背景にあり、そのタイの医療情報サイトを参考にする必要があると思われます。
記事によると、これまで南米の感染者数はほとんど報告されていませんでしたが、最近になってペルー、ブラジル、アルゼンチン、そしてコロンビアなどの国々の医師たちが、新型コロナウイルスによく似た症状の肺炎患者が増加していることを報告しているようです。
これらの国々にはまだ十分な医療体制も検査体制もできていない中、実はかなりの感染者がおり、ウイルスを拡散している可能性が高いと言われています。これは、感染者の拡大が続いているイランの状況と全く同じです。
これから急速に、感染者の拡大がほとんどなかった中南米やアフリカ諸国でも見られるようになるものと考えられます。
感染拡大する“新型コロナ” 福岡伸一が語る「ウイルスの基本的な生物学」
(出典:2020年2月6日 AERAdot)
国内外の報道記事では、新型コロナウイルスが明らかに進化しているとする報道記事もあり、新型コロナウイルスは二重螺旋ではなく一本鎖のRNAタイプのキメラウイルスですが、すでにそれを構成するタンパク質の一部が新しくなっているようです。
これを証明するように、これまでにはない特徴が新型コロナウイルスの感染者に見られており、まず感染者の若年化が進んでいるとされています。これまで子どもは、新型コロナウイルスには感染しにくいと考えられてきました。
また、感染したとしても症状は軽度で、重症化するケースはほとんどなかったわけです。しかし、武漢や上海では12歳以下の子どもが感染し、重症化するケースが見られるようになってきています。
そのような状況の中、ウイルスの研究者たちは特徴の違いから見て、武漢で拡散した初期のコロナウイルスではなく、これから進化した新しいタイプのウイルスである可能性が高いと発表しています。
さらに、肺炎を伴わない重症化が見られるようになっていると言います。新型コロナウイルスは新型肺炎と呼ばれるように、肺炎を中心とする呼吸器疾患が主たる症状であったわけです。死亡するケースのほとんどは肺炎の悪化です
ところが、武漢や上海では肺炎を伴わず、腎疾患や心疾患で突然死するケースが数多く報告されるようになりつつあります。死亡した患者には既往症もない人も多く、初期のコロナウイルスではなく、これから進化した新種のウイルスではないかと見られています。
新型コロナ対策に新酵素‐医薬基盤研が発見
(出典:2020年3月3日 薬事日報)
新しい新種が生まれたのではないかとする根拠が、「アンジオテンシン変換酵素2」という血圧上昇を抑制する働きのある酵素で、肺の「II型肺胞上皮細胞」にあると同時に、腎臓や心臓でも機能している酵素でもあります。
新型コロナウイルスは、すでにこの「ACE2受容体」に接続して体内に入ることが確認されています。実際に、体内に入ると肺炎など様々な症状が出るということです。
武漢で発生した初期型のコロナウイルスは、肺の「II型肺胞上皮細胞」にある「ACE2受容体」から体内に侵入するため、肺炎が主な症状となっていましたが進化型は腎臓や心臓から分泌される「ACE2受容体」を通しても体内に入ると説明されています。
その結果、疾患が現れる部位が腎臓や心臓となるため、腎疾患や心疾患が症状となり、心疾患が原因で突然死するケースも出ているというわけです。これは、肺炎を中心的な症状にとする初期のコロナウイルスよりも、危険性が高いと思われます。
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