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アメリカでは、大都市から郊外に人口が流出している


コロナ後に都市部の姿はどう変わる…サンフランシスコから大規模な人口流出、住宅供給が2倍に
2020年8月26日 BUSINESS INSIDERへのリンク画像です。

(出典:2020年8月26日 BUSINESS INSIDER)


現在、全米各地の大都市から郊外へ引っ越しする動きが盛んになっています。この状況をさらに悪化させているのが「リモートワーク」が増えていることです。


日本でも東京23区から郊外へ引っ越している人が急激に増えていますが、新型コロナの感染拡大以降、西海岸のシアトルやポートランド、サンフランシスコ、ロサンゼルス、そしてニューヨークやシカゴなどの大都市では、中心部にオフィスを持つ企業がリモートワークに転換させています。


一般的な労働スタイルとして定着しつつある自宅での作業ですが、特にIT企業に増えている傾向が見られます。これが背景となって、富裕層だけではなく大都市に住んでいる中間層も郊外や田舎への人口流出が進んでいます。


東京から「脱出」する30代が急増…彼らはどこに引っ越したのか?
2020年10月2日 Yahooニュースへのリンク画像です。

(出典:2020年10月2日 Yahooニュース)


日本では、東京中心部から少し離れた関東内に引っ越しする傾向がありますが、アメリカの大都市は広いため、かなり離れた場所に移っています。実は、大都市の地価が極端に高かったため、年収10万ドル(約1000万円)でも生活水準が維持できなくなっていました。


私が20年以上住んでいたサンフランシスコやサンホゼは、1990年代からシリコンバレーと共にIT革命が起こり、2000年以降もあらゆる分野でデジタル革命が起きたことで大きく発展しました。


その結果、市の中心部の不動産価格は極端に値上がりし、年収40万ドル(約4000万円)以上でなければ住めなくなっていました。アメリカの中間層が多く住む平均的な住宅面積は180平米ですが、サンフランシスコ市内の平均価格は日本円で1億5000万円と言われています。


地元住民の話では、年収2000万円でも住宅ローンを銀行で組んでもらうことができず、年収4000円以上でようやく平均的な中間層の生活ができるというわけです。2000年にサンフランシスコを離れ、日本に帰国した私も個人的には住みにくいと感じ始めていました。


また、単身用アパートメントの平均的な住宅面積は45平米ですが、家賃が40万円もかかります。年収1000万円では、家賃を払うために生きている錯覚に陥るレベルであり、最低でも1500万円なければ生活は苦しくなるということです。


ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ
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(出典:映画.com)


今、日本でも劇場公開されたばかりのハリウッド映画「The Last Blackman in San Francisco」が注目されています。2人の黒人が、自分が生まれ育ったサンフランシスコ中心部にある我が家を取り戻すために奮闘する物語です。


私が子どもであった1980年代は、造船所で働く労働者が多かった印象があります。典型的なアメリカ人の中間層向けの住宅街が並んでいました。映画でもそのようなシーンがあります。


ところが、2000年以降から急激に不動産価格が上昇したことで、売り時を間違えて家を手放してしまった住民たちは、市内中心部や周辺のオークランドなど治安の悪い地域に追いやられ、貧困層として暮らしている姿を見かけるようになったというわけです。


自分が生まれ育った家への愛着を断ち切れない主人公は、この家を買い戻そうとしますが価格が4億円にも膨らんでいました。家を購入する時は、少なくても20%程度の頭金を払う必要がありますが、8000万円をどのように工面するかです。


このような状況が、新型コロナの感染拡大が起きる前のサンフランシスコであったわけです。土地価格が極端に上昇し、年収4000万円がなければ中間層の生活水準さえ維持する事が難しいという現実があります。


そして、誰もが生活しにくく感じていた状況の中、2020年3月に新型コロナの感染者が増えていきました。その後、企業が積極的に導入した「リモートワーク」という働き方は、中間層にとって郊外に引っ越す機会となりました。


収入の大半が家賃に消える?住む場所を確保するために、ものすごく働かなければならない都市ワースト10
2020年7月2日 BUSINESS INSIDERへのリンク画像です。

(出典:2020年7月2日 BUSINESS INSIDER)


サンフランシスコからロサンゼルスの間(約500キロ)では、平均的な住宅面積である200平米を越える一般的な一戸建て住宅が3000万円台から購入することができます。つまり、大都市から離れた郊外の一戸建てがこれまでなかったほど売れているということです。


サンフランシスコ市内ではなく、ベイエリアにある住宅も売りに出されているようで、人々はさらに郊外に向かっているのがわかります。その結果、膨大な人口が土地価格の安い場所を求めるようになっています。


このような動きはサンフランシスコ・ベイエリアだけで起きているわけではなく、大都市圏に共通した傾向となっています。大都市中心部の地価が下落したことで、いよいよ郊外の地価が上昇するという逆転現象が始まっています。


おそらく日本でも、このような逆転現象が東京と地方都市で起きてくると思います。その時、皆さんがどこを生活・仕事の拠点にしているのは、「情報リテラシー」の有無次第になっているということです。

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