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明治時代の英語学習法を先人たちから学ぶB
 「クラーク博士の精神を受け継ぐ者たち」

150年前、今の北海道大学の前身である札幌農学校では、20代中盤の若いアメリカ人教師の授業を受けただけでどうして内村鑑三や新渡戸稲造などの偉大な人物を輩出することができたのかを書いていきたいと思います。


一つには、これらの若いアメリカ人教師たちが優秀な教育者であったことが挙げられます。二つ目は、学生の学習態度にあったと思われます。実は、内村や新渡戸は札幌農学校に入学する前から外国人からの教育を受けており、すでに英語が堪能であったということです。


そして、札幌農学校での授業は彼らの英語力と人格をさらに押し上げました。英語力アップのために一体何をしたのでしょうか。資料を読んでみると、当時の日本の教育批判は今でも通用するようなことが書いてあります。


要するに、まだ学生たちが理解ができていないうちに次のステップに進んでしたことがアメリカ人教師たちから批判されていたことが分かりました。だからこそ、落ちこぼれを防ぐために教材の反復練習の必要性が強調されていたわけです。


札幌農学校では、英語のリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングという4技能教育が行われていました。資料では、学生は授業の書き取りをしている、という箇所からも、つまり授業中にノートを取り、後で英文としてまとめて教師に訂正をお願いし、さらにそれを清書していると書いてあります。


こうすることによって、アメリカ人教師たちが話したことを何度も反復練習ができるというわけです。今から25年前以上の話ですが、私がカリフォルニア大学に通っていた時、これと同じやり方をしてとても役に立ったことを覚えています。


私はすべての授業をテープレコーダーに録音し、毎日のようにそのテープ内容をすべて書き起こしたことがありました。この方法では、同じ授業を何度も聞いて書き起こすことになるので意味もよくわかるようになります。


そして、それを繰り返し読み、同じような授業ができるようになることを目指します。しかし、日本人にとって英語ネイティブと同じレベルの授業を行うことはできるものではありません。40代以上の日本人英語教師が20代のアメリカ人教師たちと同レベルの流暢な英語で説得力のある授業ができるとは思えないからです。


私は、バークレー校の2年生の時にTEFL(第二言語教授学)を取得し、その後IR(国際関係学)で学士号を得ることができました。最終的に同大学のビジネススクールでMBAを取得することになったわけです。


その5年後、私は日本で会員制語学スクールであるAtlasマンツーマン英会話を創業し、英語を教えるようになりました。その後20年にわたって様々な言語を教えるようになり、この間北海道大学やその他の大学や短大でも教えた経験を持っています。


私は、世界40ヵ国から1000名を超える10ヵ国語のネイティブスピーカーを採用し、マンツーマンレッスンを提供する傍ら、英語以外の言語を勉強し、情報リテラシー教育について様々な研究開発、そして分析も絶やしたことはありません。


また、Atlasマンツーマン英会話では多くの外国人のレッスンを見続けているので150年前の札幌農学校の様子もよく理解できています。私の人生を振り返ってみると、私は語学研究全般について人生を懸けてきました。


しかし、札幌農学校で教えたクラーク博士や20代のアメリカ人教師たちを前にして自分と比較してみると、「今の日本人英語教師でも彼らの学識や教養には及ばない」というのが実感としてあります。英語ネイティブと日本人との差はそれほど大きいということです。


さらに、札幌農学校での教育で重要なことは、聖書の存在であったことは間違いありません。現代では、クリスチャンであるかどうかは重要ではありませんが、そもそも聖書を読まなければ英語を上達させることはできないと思うわけです。特に、グローバル社会の中では必要不可欠と言っていいのかもしれません。


いずれにしても、クラーク博士の教育は内村鑑三や新渡戸稲造のような優れた人材を生み出し、その精神は次の世代に伝承されていきましたが、20世紀に入り、日本の軍国主義の台頭によって戦争の時代を経験することになりました。


そして、戦後は数多くの文部大臣が思想的に内村・新渡戸派であったことで、教育改革を行うことができた時代があったのも事実です。南原繁、矢内原忠雄とも内村や新渡戸の弟子であったわけです。


戦後は、クラーク博士の精神がその弟子たちを通して日本全体に浸透していくことになりましたが、残念ながらそれが今日まで続いているわけではありません。安倍政権がクラーク博士の精神を受け継いでいるとはどう考えても思えません。


なぜなら、英語を大切にすることはなく、国際的なセンスを全く感じさせないからです。2000年代からの小泉政権から現在の安倍政権そして、麻生副総理など二世議員たちは無策で無神経な発言ばかりし、売国奴であることは明らかです。


だからこそ、私たちAtlasでは「情報リテラシー教育」を行っていくしかないことが分かっていただけると思うのです。

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