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明治時代の英語学習法を先人たちから学ぶ@
 「今も昔も変わらない日本の英語学習」

現在の北海道大学、つまり札幌農学校が、内村鑑三や新渡戸稲造など多くのすぐれた英学者たちを輩出したのはなぜでしょうか?


北海道大学に所蔵されている当時の記録資料から、草創期の札幌農学校の教育が英語学習の歴史で果した役割を考えてみたいと思います。


約4年前、私は仕事のために立ち寄った北大キャンパスにて、「北大の英語教育・札幌農学校の記録でたどる札幌留学の時代」なる展示会が開催されていたため、思わず中をのぞいてみたことがありました。


新しいものでも昭和、古いものになると明治時代の英語の教科書などが種類を問わず展示されていました。Atlasマンツーマン英会話の経営者である私は、その内容に興奮し、夢中になって物色したことを今でもはっきりと覚えています。


「北大の英語教育・札幌農学校の記録でたどる札幌留学の時代」
展示期間: 2015-04-01〜2015-06-30


正しい歴史を振り返ってみると、江戸時代はオランダ語が国際言語であったわけですが、1808年の起きたフェートン号事件から英語に対する重要性が認識されるようになったとされています。当時のオランダは覇権国でしたが、やがてイギリスのその座を奪われると世界では英語を使う国々が国力をつけていきました。


その世界の兆候を感じとったのか、福沢諭吉もそれまでの蘭学塾からあっさりと英学塾に名前を変えたというのは有名な話です。その後、明治維新が起こり、英語教育が始まったことで、当時は文明語と呼ばれていたようです。


しかし、教育の現状としては英語教員が不足しており、充実した英語教育を受けられることは難しかったと思われます。一方、現代では英語を学ぶための教材や媒体はいくらでも手に入る時代となりました。


インターネットに接続できる環境であればいくらでも無料で英語のテキストも音声も手に入れることができるわけです。豊富な英語資源という部分では明治時代と現代では大きく異なります。英語にたくさん触れることができるということは、それだけ英語を習得できるチャンスが多いということです。当たり前の話ですが、現代はそういった意味で恵まれているということです。


ところが、むしろ150年経ても変わらないものがあります。それは、自ら英語を学ぼうとし、高い目的意識を持って行動しなければ、学校以外ではほとんど英語を使う機会がないということです。つまり、日本国内では英語とは無関係な社会環境は今も昔も変わらないということです。


この世には、大きく変わるものがあれば、何も変わらないものもあります。それは英語の学習方法にも言えることです。これだけ恵まれた現代に生まれても、英語が一向に上達しない方がいる中で、教育の乏しい環境の中で英語を習得した先人もいます。


そのような状況の中、英語を習得した札幌農学校(現在の北海道大学)に通われた先人に見習えば現代にも通用するある共通点が見えてくるというわけです。


そこに見えてくるものは、語学学習自体は今も昔も変わらないものという答えです。

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