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グロービッシュの提唱者ジャン・ネリエール氏のインタビューから

グロービッシュの提唱者ジャン・ネリエール氏は、米国IBM時代の1990年にグロービッシュを構想し、その普及に努めています。現在、フランスに住むネリエール氏に、日本のビジネス雑誌数社がグロービッシュの意義と狙いについてインタビューをしています。

記者:「グロービッシュはどのようにして生まれたのですか?」

ネリエール氏:「このアイデアは1990年に日本で生まれました。当時、私は米IBMの国際マーケティングを担当するバイスプレジデントとして日本に出張していました。そのとき驚いたのは、私の英語力は限られているのに、米国人の同僚よりも、断然うまく日本人の同僚や顧客とコミュニケーションを取れたことでした。ネイティブでない者同士だと互いに自信を持って話せるので、意思疎通がうまくいくことを発見したのです。

グロービッシュという考えは、英語圏では決して生まれません。逆に、日本と私の母国フランスは、グロービッシュが最も受け入れられやすい国といえます。なぜなら、両国の国民は、面目を失うことを何よりも恐れるからです。ドイツ人にはこうした傾向はありませんが、フランス人は日本人以上に体面が傷つくことを嫌います。フランス人はわからない単語や聴き取れない言葉があっ ても、「 わかり ません、 もう 1回 話して」 とは決して言いません。次の文章でその意味がわかると期待して、知っているふりをするのです。これがフランス人なのです。

おそらく日本人も似ているでしょう。ただ、フランス人も日本人と話す際は、互いに英語が完璧ではないことを認識しているので、フレンドリーかつ気楽に会話ができます。つまり英語に限界があることが利点となるのです。ヨーロッパやアジアなどの非英語圏の国では、非ネイティブの人のほうがネイティブの人よりも、自らをうまく理解してもらうことができるのです。

そもそも、言語とは文化や伝統の伝達手段ですが、グロービッシュは言語そのものではありません。この点がエスペラント語と異なります。グロービッシュは単なるツール、コミュニケーションのための最も実践的なツールなのです。カフェインを抜いたデイカフェ英語みたいなものです。複雑なストーリーの小説を読むためには英語の勉強は必要でしょうが、ビジネスのための英語ならグロービッシュで十分です。

日本人、韓国人、 中国人、ロシア人など英語の非ネイティブと英語で話すとき、どれぐらい語彙が必要でしょうか。米国国営放送の「Special English Program」では、基本単語1500語のみで戦争やテロなどあらゆる分野のニュースを伝えています。ビジネス分野でも1500語あればコミュニケーションが可能です。私は、VOAの基本単語1500語をベースに、ビジネスでの必要性に応じて単語を入れ替え、独自の基本単語リストを作りました。」

記者:「英語に対するグロービッシュの強みとは何でしょうか?」

ネリエール氏:「英語をいくら勉強しても、私の英語はネイティブと同水準までには上達しません。でも、私のフランス語なまりの英語を聴いたネイティブは、「彼の英語には、さらなる改善が必要だ」と考えるでしょう。私が彼らの側まで歩み寄ることを求めるのです。

一方、グロービッシュでは、完璧な英語を求めません。話し手は、聞き手がわかるような表現を使うことを求められますし、聞き手は話し手の話が理解できない場合、「もう一度グロービッシュで言い直してくれ」と言う責任があります。グロービッシュでは、話し手と聞き手がお互いに半分ずつ歩み寄るのです。」

記者:「グロービッシュが普及することによるメリットは何ですか?」

ネリエール氏:「グロービッシュは1年程度で習得できます。その分、これまで英語にかけていた時間を中国語やスペイン語といった言語の学習に充てられるのです。私は学生時代、ギリシャ語やラテン語を学びましたが、今のフランス人は子どもに英語ばかり勉強させようとします。そのため、英語圏以外の語学・文化・歴史を正しく理解したフランス人が少なくなっています。」

記者:「グロービッシュは何歳からでも習得できますか?」

ネリエール氏:「もしあなたが完全な英語をマスターしたいなら年齢は重要ですが、十分な英語なら問題ありません。たとえば60歳の人は英語を学ぶのは労力がかかりすぎて、リターンが少ないと思うでしょう。しかし十分な英語=グロービッシュならば1年以内の勉強で使えるようになります。グロービッシュは、努力に対する見返りがとても高いのです。」

記者:「グロービッシュは世界でどの程度受け入れられていますか?」

ネリエール氏:「私の本はフランス国内で3万 部売れましたし、ほとんどの新聞や雑誌でグロービッシュについての記事が掲載されました。スペイン、イタリア、韓国では翻訳版が売れています。

その一方、フランスでは英語教師から激しい反対運動が起きています。「これは空港で話すレベルの英語だ。こんな英語を教えるために、私たちは英語教師になったのではない」というのが彼らの言い分です。」

記者:「最後に、英語に苦労している日本人にアドバイスをお願いします。」

ネリエール氏:「二つあります。初めに、あなたの専門的技能、スキルに自信を持つということです。あなたが勤めている企業に提供できる価値とは、英語力ではなく専門技能なのです。英語について過度に心配する必要はありません。

もう一つは、グロービッシュを国内で普及させると同時に、日本語を学ぶ外国人の数を増やすということです。日本は長い歴史と興味深い文化を持つ国です。そのすばらしい文化の理解を深めるパイプ役となるのは日本語なのです。」

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